レビュー：シャーガス病は遠い国の病気？米国での真の姿と隠れた脅威_～公式見解への異論～　EID

Chagas Disease, an Endemic Disease in the United StatesCitationEmerg Infect Dis. 2025 Sep;31(9). doi: 10.3201/eid3109.241700.概要シャーガス病は、アメリカ大陸21か国において風土病とされる寄生虫感染症であるが、米国におけるTriatoma属（キスバグ）の存在、野生動物や家畜・野生動物への感染例、自発感染例の報告などから、「米国非風土病」との従来の分類には見直しの必要性がある。本総説では、以下を主要なエビデンスとして提示している：米国南部において複数のTriatoma種が人の住居に出没し、T. cruzi（シャーガス病原体）感染能が高いこと。野生および飼育動物（ネズミ、アライグマ、アルマジロ、スカンク、人間の信頼できるペットなど）から広く感染が認められること。自然感染として確認されたシャーガス病は、テキサス州を中心に8州で報告され、2013年から2023年にかけて50例の自生感染例が確認されていること。「非風土病」として分類されることが、医療従事者や獣医師の認識不足・過小報告を助長し、公衆衛生上の課題となっていること。結論として、米国南部におけるシャーガス病は持続的に感染症リスクが存在する状況であり、「風土病（特にハイポエンデミック）」として再分類されるべきであるとして、監視強化、医療教育、政策対応の強化を訴えている。

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