急性膵炎治療を変えるか？抗生物質を賢く減らす「プロカルシトニン」とPROCAP試験の衝撃　

A procalcitonin-based algorithm to guide antibiotic use in patients with acute pancreatitis (PROCAP): a single-centre, patient-blinded, randomised controlled trialCitationLancet Gastroenterology & Hepatology, 2022; 7(10): 913–921概要英国マンチェスターの三次医療施設で、急性膵炎患者に対してプロカルシトニン（PCT）値に基づくアルゴリズムを用いた抗菌薬使用指針の有効性を検証した単施設患者盲検RCT。対象は18歳以上で急性膵炎と診断された260例。PCT群（n=132）では入院日、4日目、7日目、その後は週1回の測定を実施し、1.0 ng/mL未満であれば抗菌薬非投与または中止、1.0 ng/mL以上であれば開始または継続とした。対照群（n=128）は従来ケアのみを実施。主要評価項目（入院期間中の抗菌薬使用率）PCT群45％ vs 従来群63％（調整リスク差 −15.6％, p=0.0071）で有意に低下。抗菌薬使用日数もPCT群4.5日 vs 従来群5.8日（p=0.015）と短縮。副次評価項目臨床感染率、院内感染率、感染性膵壊死率、死亡率（PCT群3％ vs 従来群2％）に有意差なし。再入院率やQOLスコア、入院期間、コストも両群で差なし。有害事象発生率も同等で、安全性に問題なし。結論急性膵炎において、プロカルシトニン値に基づくアルゴリズム活用は、感染や有害事象を増加させることなく抗菌薬使用率を有意に減少させた。過剰抗菌薬使用の抑制に有用であり、今後のガイドラインへの導入が望まれる。

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