症例報告：日本初！マダニ媒介「オズウイルス」が劇症型心筋炎を引き起こす〜診断の最前線と知られざる脅威〜　NEJM

元の論文：Fulminant Viral Myocarditis Associated with ThogotovirusCitation：N Engl J Med. 2025 Sep 4;393(9):924–925. doi:10.1056/NEJMc2503343論文の要約この報告は、日本で発見された新しいマダニ媒介性ウイルス「Oz virus（OZV）」によると考えられる心筋炎の致死例を示しています。◯患者背景2022年初夏、日本の70代女性が倦怠感、食欲低下、発熱などで入院しました。右鼠径部にはマダニの刺咬が確認されました。◯病状の進行当初は抗菌薬で解熱したものの、再び発熱。第8病日に房室ブロックが出現しペースメーカーを一時的に挿入。心筋炎と診断されました。その後、脳梗塞や心室細動を起こし、第26病日に死亡しました。◯ウイルスの検出入院時の血液検体から、次世代シークエンスでOZV遺伝子断片が検出されました。細胞培養や電子顕微鏡でもOZV粒子が確認され、全ゲノム解析でヒト株として同定されました。◯病理所見心筋生検では強い心筋細胞障害と炎症細胞浸潤があり、in situ ハイブリダイゼーションで心筋細胞内にOZV RNAが検出されました。剖検心筋でもウイルスRNAが認められました。◯意義OZVはこれまでヒト病原性が明確でなかったものの、本例はOZVが人に重篤な心筋炎を引き起こす可能性を初めて示した症例です。マダニ媒介ウイルスとしての臨床的リスクを再評価する必要があります。#オズウイルス #マダニ感染症 #心筋炎 #新興感染症 #日本発症例

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