HPVワクチン単回接種は子宮頸がん予防を大きく変えるか？ケニア最新研究の衝撃と世界への影響　NEJM evidence

Efficacy of Single-Dose Human Papillomavirus Vaccination among Young African WomenCitationNEJM Evidence, 2022; 1(5)論文の要約本研究は、ケニア在住の15〜20歳の若年女性を対象に、HPVワクチンの単回接種による感染予防効果を検証した多施設二重盲検ランダム化比較試験である。対象はHPVワクチン未接種かつHIV陰性の性的活動歴のある女性で、9価HPVワクチン（HPV16/18/31/33/45/52/58/6/11）、2価HPVワクチン（HPV16/18）、または髄膜炎菌ワクチン（対照）のいずれかを単回接種し、18か月間追跡した。主要評価項目：18か月以内のワクチン型HPVの持続感染発生率（接種時および3か月時点で対象HPV DNA・抗体陰性者のみ解析対象）。結果HPV16/18型持続感染：発生率は2価群・9価群ともに0.17/100人年、対照群6.83/100人年で、ワクチン有効率（VE）97.5%（95%CI 約82–99.7）。HPV16/18/31/33/45/52/58型持続感染（9価群のみ）：発生率1.03/100人年、対照群9.42/100人年で、VE 88.9%（95%CI 約68–96）。感度解析（6か月時点陰性例）ではHPV16/18型VEが両ワクチン群で100%、HPV16/18/31/33/45/52/58型VEは95%を維持。有害事象は各群で同程度（重篤有害事象約4.5〜5.2%）で、安全性に大きな懸念なし。意義単回接種であっても、HPV16/18型および（9価では）追加5型に対して非常に高い予防効果を示した。ワクチン供給制限や接種率の低さが課題となる低・中所得国（LMICs）において、コスト削減と接種率向上を同時に達成できる可能性があり、子宮頸がん予防戦略の大きな転換点となり得る。

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