カルバペネム耐性GNRによる肺炎・菌血症におけるコリスチン＋メロペネム併用療法の効果　CID

The Impact of Synergistic Therapy Between Colistin and Meropenem on Outcomes of Patients With Pneumonia or Bloodstream Infection Due to Carbapenem-Resistant Gram-Negative PathogensCitationClin Infect Dis, ciaf398 (2025)論文の要約本研究は、多施設ランダム化試験（OVERCOME試験）のサブ解析であり、コリスチン＋メロペネム併用療法を受けた症例群において、試験管内 （time-kill assay） でシナジーを示した菌株の有無が臨床成績に影響を与えるかを検証している。対象と評価：併用群211例中、in vitro のシナジー検査が行われたのは186例で、そのうち約76%はシナジー陽性であった。主な結果：培養検査でのシナジー陽性は臨床的失敗（治療無効）の割合低下と関連していたが、28日死亡率やコリスチン耐性菌の発現頻度には統計的な差は認められなかった。アキネトバクター菌感染例での傾向：A. baumannii感染例においては、シナジー陽性群で臨床失敗率が53%に対して陰性群では79%と、有意に低い成績を示した。総括：コリスチン＋メロペネム併用が必ずしも単独療法に対して優位というわけではないが、in vitro での相乗効果がある場合には臨床成績が改善する可能性が示唆された。臨床的意義対象菌ごとのin vitro検査が、治療法の選択や予後予測に役立つ可能性特に A. baumannii 感染では併用による治療効果の向上が期待される死亡率や耐性化を防ぐには、さらなるエビデンスと治療戦略の検討が必要本研究は、難治性グラム陰性菌感染への併用療法選択に際して「in vitro シナジー評価」を臨床判断に活用する重要な示唆を示しています。

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