ライム病初期治療、抗生物質は7日間で十分？常識を覆す研究結果を徹底解説！　Lancet

Treatment of erythema migrans with doxycycline for 7 days versus 14 days in Slovenia: a randomised open-label non-inferiority trialCitationLancet Infectious Diseases, 2023; 23(3): 371–379概要ライム病の早期皮膚病変である単発性遊走性紅斑に対する抗菌薬の最短有効治療期間を評価するため、スロベニアのUniversity Medical Centre Ljubljanaで成人患者300例を対象に無作為化非盲検非劣性試験を実施。患者はドキシサイクリン100mgを1日2回、7日間または14日間投与する群に1:1で割付けられた。主要評価項目は、治療失敗（2か月時点での紅斑の持続、新たなライム病徴候、または皮膚再生検からのボレリア分離）発生率の差（非劣性マージン6%）。結果per-protocol解析：治療失敗率は7日群3.4%（5/147）、14日群2.0%（3/147）で差1.4%（片側95%CI上限5.2%）と非劣性を達成。紅斑消失までの期間中央値は両群でほぼ同等（約11日）。12か月間の追跡で新たな進行性ライム病症例は両群とも発生せず。有害事象は両群とも軽度で発生率も同等（7日群28%、14日群34%）。健康関連QOLや非特異的症状の頻度も群間で差なし。結論単発性遊走性紅斑を有する成人患者において、7日間のドキシサイクリン治療は14日間治療に対して非劣性であり、安全性も同等であった。抗菌薬曝露期間の短縮による耐性抑制や副作用低減の観点から、7日間レジメンは合理的な選択肢となり得る。

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