レビュー：薬剤耐性が深刻化！性感染症マイコプラズマ・ジェニタリウム（MG）の「静かなる流行」に迫る　Infectious Disease Clinics of North America

Update in Epidemiology and Management of Mycoplasma genitalium InfectionsCitationInfectious Disease Clinics of North America, 2023; 37(1): 133–151概要Mycoplasma genitalium（MG）は、非淋菌性尿道炎、子宮頸管炎、骨盤内感染症、まれに不妊症や早産と関連する性感染症である。無症候性感染も多く、長期間持続する場合があり、性感染症としての認知度は近年急速に高まっている。疫学世界的な有病率は地域や集団によって異なり、性感染症クリニックやハイリスク集団で高率。マクロライド耐性株が急増し、一部地域では70〜90％に達している。フルオロキノロン耐性も増加傾向にある。診断核酸増幅検査（NAAT）が標準。感受性検査が可能であれば耐性遺伝子変異の確認が望ましい。治療推奨される初期治療はドキシサイクリン7日間で菌量を減少させた後、マクロライド感受性例にはアジスロマイシン、耐性例にはモキシフロキサシンを投与する段階的アプローチ。治療失敗時にはシタフロキサシンやミノサイクリンなどを検討する。無症候性感染のスクリーニングは推奨されない。妊娠・特殊集団妊娠中は治療選択肢が限られ、安全性の高い薬剤を慎重に選択する必要がある。結論MGは治療選択肢の限られる耐性性感染症として世界的に重要性を増しており、診断体制の整備、耐性検査の活用、抗菌薬の適正使用が急務である。

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