レビュー：非結核性抗酸菌による肺疾患：患者、原則、そして展望　CID

State-of-the-Art Review: Nontuberculous Mycobacterial Pulmonary Disease: Patients, Principles, and ProspectsCitationClinical Infectious Diseases, ciae421論文の要約本レビューでは、非結核性抗酸菌（NTM）による肺疾患（NTM-PD）の診断、治療、患者中心のアプローチ、ならびに将来展望を包括的に解説している。以下の点が特に強調されている。診断と病態生理：NTM-PDは、咳、痰、体重減少、疲労といった慢性呼吸器症状を呈し、画像所見では気管支拡張や空洞形成を伴う。診断には、症状、CT所見、同一NTMの反復検出、他疾患の除外が必要である。患者中心の治療意思決定：治療のゴールは「治癒」だけでなく、進行抑制、QOLの維持である。軽症例では観察と気道クリアランス療法（ACT）のみで経過観察する選択肢もある。標準治療の構築：マクロライド系薬剤（アジスロマイシンやクラリスロマイシン）とエタンブトールを中心に、多剤併用療法（3〜5剤）が基本。薬剤感受性試験（AST）は、特にマクロライドとアミノグリコシドに対して重要である。難治例・薬剤制限例への対応：リポソーム化アミカシン吸入製剤（ALIS）の使用、外科的切除、あるいは新規治療薬（ベダキリン、クロファジミンなど）やマイコバクテリオファージ療法も検討されている。基礎疾患とリスク因子：気道クリアランス異常を伴う基礎疾患（例：気管支拡張症、嚢胞性線維症、CVID、加齢、低栄養、ステロイド使用など）がNTM-PD発症と進展に強く関与する。新たな展望：病原体標的治療（例：SPR719、epetraborole）や宿主免疫修飾療法（例：グルタチオン、GM-CSF吸入）、社会的格差や気候変動がNTM-PDの疫学に与える影響についても言及されている。

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