新生児小頭症とオロポーシュウイルスの垂直感染の可能性　Lancet ID

Newborns with microcephaly in Brazil and potential vertical transmission of Oropouche virus: a case seriesCitationThe Lancet Infectious Diseases, 2025; 25(2): 155–165論文の要約本研究は、オロポーシュウイルス（Oropouche virus: OROV）が新生児小頭症などの先天異常と関連している可能性を初めて実証的に提示した症例集である。対象は、2015～2021年および2024年にブラジルで出生した新生児68例であり、いずれも小頭症や関節拘縮などを有し、Zikaや他のTORCH感染症は除外されていた。OROV感染の証拠：6例（9％）でOROV IgM抗体が検出され、うち1例（2024年症例）では複数臓器（脳、肺、腎、髄液、胸水など）でOROV RNAおよび抗原が検出された。重症例の特徴：この症例では、組織学的に脳の壊死、脱髄、血管炎、心筋や腎臓の壊死など重篤な先天性障害が見られ、47日で死亡した。臨床的意義：OROVが、Zika同様に中枢神経系へ垂直感染を起こし、胎児異常を引き起こす可能性が示唆される。ただし、因果関係は現時点では「可能性」に留まるとされ、さらなる研究が求められている。背景と公衆衛生的インプリケーションOROVはブラジル・アマゾン地域を中心に流行するブニヤウイルス科のアルボウイルスであり、発熱性疾患として知られていた。Zikaウイルス流行後、小頭症や先天異常の原因不明例が注目されており、本研究はその一部にOROVが関与している可能性を示した点で意義深い。本研究は、先天性疾患のサーベイランスにおいて、OROVを含めた新たなスクリーニング対象の必要性を強調している。

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