淋菌治療最前線！ミラノ発・最新研究で変わる最適解〜単独療法とTest of Cureの真価に迫る　CID

High effectiveness of ceftriaxone monotherapy and limited value of routine test-of-cure for Gonorrhoea in a low-resistance settingCitationClin Infect Dis. 2025; doi:10.1093/cid/ciaf456.概要本研究は、イタリア・ミラノにおいて2022年1月から2025年3月に診断された淋菌感染症310例を対象に、セフトリアキソン単剤療法（1 g単回投与）の有効性と、治癒確認検査（test-of-cure: TOC）の意義を評価したものである。感染部位は肛門直腸（45％）、咽頭（38％）、尿道（16％）、膣（1％）であり、76％が無症候性感染であった。治療はセフトリアキソン単剤が53.5％（166例）、併用療法（セフトリアキソン＋アジスロマイシンまたはドキシサイクリン）が42.6％、ゲンタマイシンを含むレジメンが3.9％に行われた。TOCは中央値29日後に施行され、全体の97％（300/310例）が陰性化した。セフトリアキソン単剤群における陽性例は4.8％（8/166例）であったが、多くは再感染あるいは細菌の遅延排除によるものであり、耐性を直接示すものではなかった。唯一、ゲンタマイシン治療例で効果不十分が疑われた。セフトリアキソン単剤は95％以上の高い治癒率を示し、咽頭・肛門直腸部位を含め有効性が確認された。欧州の一部ガイドラインで推奨される併用療法に比し、CDCやBASHHの単剤推奨を支持する結果であった。また、アジスロマイシン併用を避けることは、他の性感染症（例：マイコプラズマ・ジェニタリウム）の耐性上昇を抑制する観点からも意義がある。TOCについては、非有効例の検出には乏しく、むしろ再感染や偽陽性が多いことから、低耐性率地域では全例に対するルーチンTOCは推奨されず、症状遷延例や再感染疑い例に限定する方が合理的であると結論づけられた。

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