肺炎治療の隠れた一手？古くて新しい抗生物質ドキシサイクリンの可能性と課題　CID

Efficacy of Doxycycline for Mild-to-Moderate Community-Acquired Pneumonia in Adults: A Systematic Review and Meta-Analysis of Randomized Controlled TrialsCitationClinical Infectious Diseases, 2023; 76(4): 683–691概要6件の無作為化比較試験（RCT）、計834例を対象に、成人の軽度〜中等度の市中肺炎に対するドキシサイクリン単独療法とマクロライド系またはフルオロキノロン系抗菌薬単独療法を比較したシステマティックレビューおよびメタ解析。試験は1984〜2004年に実施され、4件はバイアスリスクが高いと評価された。主要評価項目（臨床的治癒率）　全体ではドキシサイクリン群87.2%、比較薬群82.6%で有意差なし（OR 1.29, 95%CI 0.73–2.28）。　低バイアスリスクの試験2件ではドキシサイクリン群が有意に高い治癒率（87.1% vs 77.8%、OR 1.92, P=0.01）。副次評価項目　有害事象率は両群で同程度（27.6% vs 33.2%）。死亡例はなし。入院患者における一試験では、ドキシサイクリン群で入院日数・薬剤コストとも有意に低かった。結論ドキシサイクリンは、軽度〜中等度の市中肺炎においてマクロライド系やフルオロキノロン系と同等の有効性と安全性を示し、特に耐性菌動向やコスト面を考慮すると有用な選択肢である。地域の耐性状況を踏まえた適応判断と、現代の耐性状況下での大規模RCTによる検証が望まれる。

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