長引くコロナ後遺症と経済的打撃：仕事・家計への長期影響とワクチン効果を徹底解説　JAMA

Work Impairment and Financial Outcomes Among Adults With vs Without Long COVIDCitationJAMA Netw Open. 2025 Aug 1;8(8):e2526310. doi: 10.1001/jamanetworkopen.2025.26310.概要本前向き多施設縦断コホート研究は、SARS-CoV-2感染後に現在も症状が持続している「ロングCOVID（LC）」患者と、回復または未感染の者との間で、労働や経済的結果に関する差異を評価したものである。研究期間は初感染が2020年12月7日から2022年8月29日、フォローアップは2024年4月2日まで行われた。結果として、現在LCを有する群は、症状により仕事を欠勤する機会が有意に多く、労働能力への影響（work impairment）のオッズ比は11.82と非常に高かった。一方、LCを経験済の群はその値がより低かった。さらに、LC群では中等度から高度の経済的負担（financial toxicity）が認められ、回復群および未経験群と比較すると、それぞれオッズ比5.20および3.16とされ、経済面での苦境が著しかった。注目すべきは、COVID-19ワクチン接種が労働への影響を軽減し、経済的負担も低下させる因子として作用した点である。具体的には、ワクチン接種者は非接種者と比較して総労働能力低下や非労働活動の制約、金銭的負担において改善傾向が認められた。結論として、現在LCを有する成人では、長期にわたり仕事や収入面で深刻な影響を受ける傾向があり、ワクチン接種はこれらの社会的・経済的損害を軽減し得る予防的手段といえる。このことは、ポストパンデミック期における支援政策の策定や、職場対応・補償制度の整備などにとって重要な知見を提供する。

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