高齢者インフルエンザワクチン：最新大規模研究の意外な真実～高用量は「効く」のか？複合評価の罠とパンデミックの影響を深掘り　NEJM

High-Dose Influenza Vaccine Effectiveness against Hospitalization in Older AdultsCitationN Engl J Med. 2025 Aug 30; DOI:10.1056/NEJMoa2509907概要DANFLU-2試験はデンマークで3シーズン（2022–2023、2023–2024、2024–2025）にわたり実施された65歳以上高齢者を対象とする実用的無作為化比較試験である。高用量不活化インフルエンザワクチン（1株あたり抗原量60µg）と標準用量ワクチン（15µg）の有効性を比較した。登録者：332,438人（高用量群166,218人、標準群166,220人）。平均年齢：73.7歳、約半数が慢性心血管疾患や糖尿病を有する。主要評価項目：インフルエンザまたは肺炎による入院。副次評価項目：インフルエンザ入院、肺炎入院、心肺疾患による入院、全入院、全死亡など。主要評価項目：高用量群0.68%、標準群0.73%。相対有効性はわずかに高用量群で優れたが統計学的有意差はなかった。インフルエンザ入院のみ：高用量群0.06%、標準群0.11%であり、高用量群で有意に抑制された。肺炎入院：両群差なし。心肺疾患による入院：高用量群で僅かな抑制効果が確認された。全死亡：両群差なし。安全性：重篤な有害事象発生率は両群で同等であり、全体として安全性に差は認められなかった。高用量インフルエンザワクチンは、主要評価項目である「インフルエンザまたは肺炎による入院」において標準用量に対する明確な優位性は示さなかった。しかし、インフルエンザ入院単独では有効性が確認され、心肺疾患入院の抑制効果も示唆された。重症インフルエンザ予防の観点から、高齢者において臨床的に意義ある選択肢と考えられる。対象と方法結果結論

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