レビュー：それ本当にパーキンソン病？レビュー論文から学ぶ薬剤性パーキンソニズムの診断治療

今回は、意外と見過ごされがちな「薬剤性パーキンソニズム（DIP）」をテーマに、特発性パーキンソン病（PD）との鑑別から、原因薬剤、そして具体的なマネジメントまでを網羅したレビュー論文をピックアップしました。DIPは治療可能な病態であり、早期の認識と対応が患者さんの予後を大きく左右します。パーキンソン症状をみたら、まずは薬剤歴の確認を！------薬剤性パーキンソニズム（DIP）は、特定の薬剤使用後に発症するパーキンソン症状（運動緩慢、固縮、振戦、姿勢不安定）を指します。原因薬剤は抗精神病薬が有名ですが、制吐薬や降圧薬、抗うつ薬、抗てんかん薬など多岐にわたります。特発性パーキンソン病（PD）との鑑別が重要で、DIPは対称性の症状が多い一方、PDでは嗅覚障害、REM睡眠行動障害、便秘などの非運動症状がより顕著にみられる傾向があります。診断は原因薬剤の中止による症状の改善で確定しますが、鑑別が難しい場合はドパミントランスポーター（DAT）スキャンが有用です。治療の基本は、原因薬剤の減量や中止、あるいはD2受容体への親和性が低い薬剤（クエチアピン、クロザピンなど）への変更です。症状緩和には抗コリン薬やアマンタジンが用いられます。Feldman M, Marmol S, Margolesky J. Updated Perspectives on the Management of Drug-Induced Parkinsonism (DIP): Insights from the Clinic. Ther Clin Risk Manag. 2022;18:1129-1142.#薬剤性パーキンソニズム #パーキンソン病 #副作用 #ポリファーマシー #総合診療 #いなか家庭医の勉強ノート

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